0:はじめに

唐突に思い付いたようでいて、前から書こうとは思っていた。なかなか踏ん切りがつかないというか、自分でも消化しきれていない現在も進行中の出来事なので、落ち着いてから書こうと思っていたところもある。日記という体裁にしてしまうと混乱してしまうような気もしていたから。
振り返れば5ヶ月も経っていた。これ以上は「記憶」し続けていられるかどうかという不安もあるし、書くことで整理を付け、何かを見出せればいいという思いもあるので少しずつ記していこうと思う。おそらくは自分の人生の中でも最大級の事象についての記録となるはずだ。


ツイッターではとうの昔にカミングアウトしているものの、はっきりと記しているわけではないのでネット上で大っぴらにするのはこれが初めてのことかもしれない。
誰でも日付を一連の数字として記憶しているものが幾つかあると思う。自分の誕生日もそうだろうし、二・二六事件911のように歴史的な出来事の起きた日がそのまま代名詞となっているものも幾つかある。
自分の場合、929という数字が、誕生日と並んで記憶し続けていられる限り絶対に忘れることがないものとして挙げられる。
2010年9月29日。
この日は自分にとってもう一つの「誕生日」のような感覚がある。
自分が記憶喪失に陥ったことを自覚した日だ。


一度に大量に書こうとするとくたびれてしまうだろうし、今も当時の状況を思い出そうとすると頭痛をはじめ体調が悪くなるので、少しずつ書いていきたい。
今でこそはてなのIDとパスワードも普通に思い出せるが、あの朝は違った。
少しずつ、順を追って書き記していこうと思う。