amazon:武揚伝、読了

武揚伝〈4〉 (中公文庫)得られるところの大きな書でありました。
大正デモクラシーのはるか数十年前、日本はすでに榎本武揚らによって共和政治の萌芽を芽生えさせていたとは。
単なる徳川幕府の残党勢力ではなく、貧窮必至の幕臣が生き抜くための最後の嘆願、蝦夷ガ島移住。願い叶わず、最後の手段としての艦隊脱出行。
以前から、なぜ徳川慶喜蝦夷に渡らなかったのかと思っていたが、それも納得。渡りようがない。まずもって性格がああだし、駿府に移ってからの脱出でもあり、むしろ自分の決定に反する行いとして海陸軍の暴走を諫めるほどであれば。
勝海舟の為した行いも、江戸無血開城のほかにはよく知らなかった。あとは咸臨丸でアメリカ行ったくらいしか知らなかったわけですが、幕臣でありながら夢見ていたのは王政復古の政、しかし薩長連合の支配を目の当たりにしてささやかながらの翻意。徳川家臣団の蝦夷地移住の嘆願を行う。
時間ができたらもう一回読もう。
あーその前にローレライも読まねばあああっ映画化かよっ。